写真展画像

ー北九州美術館での写真展よりー

   
 

 私達がどこのご家庭にもある様なありふれた、そして少し気恥ずかしい写真を皆様の前にお出しする決心をしたのは、これらの写真をご覧戴いて、めぐみが決して特別な子どもなのではなく、めぐみが他のあらゆる子どもと同様家族にとって掛け替えのない存在であり、それを北朝鮮の国家犯罪という突然の暴力によって連れ去られてしまったのだと云うことを改めて知って戴きたいと思ったからです。
 私たちが慈しみ育てた娘は、気の遠くなるような長きに渡って、北朝鮮という異国に未だ捕らわれています。めぐみが北朝鮮で撮られた写真はなんと哀しい目をしていることでしょう。あんなに明るかった娘がなんと寂しく、不安に満ちた表情をしているのでしょう。どんなに悲しく、恐ろしく、辛かったことでしょう。
 私達は突然奪い去られた我が子をただただ返して欲しいと願って活動を続けてきました。私達はめぐみをはじめとする全ての被害者が一刻も早く家族の元に返れることを、また、このような活動をせずに、かつて過ごした様な平穏な生活をめぐみと共に送れるようになることを願ってやみません。